--スタートは見事に決めました。
琢磨 ええ(笑)。かなり混乱があったし、バーレーンのサーキットの特徴として、長いストレートからのブレーキングが二つあってオーバーテイクのチャンスもあったので、うまく混乱を避けてポジションを上げることができました。
--どんな感じでスタートを?
琢磨 うちにはスタート専用のマップがあるわけではないし、トライはしているけれど練習不足があります。週末のスタート練習もできていないので、もう一歩ですね。クラッチパドルをつないでからはドライバーの仕事ですがそこまでの最初の一歩が、他のチームは凄く前にいっちゃっているので、そこがもう少しうまくなれば、1コーナーまでにいいポジション取りができると思います。1コーナー自体はかなり慎重にいって、そのあと2、3、4コーナーは砂ぼこりがあがっていましたが、混乱は避けられました。特にスタートのコツがある分けではないけれど、2年前にごきチームにきてからはずっと、少しでも前に、と思ってスタートしています。
--1周めにオイルが出ていました。
琢磨 スタート直後に、ターン4から、5、6、7、10番までかな、オイルがライン上に出て危険な状態でした。コース面も見えないところだし、ポストの位置の関係でオイル・フラッグが見にくいんです。一気にグリップを失って、前のルノーがスピンしていて、ボクも縁石をまたぐ寸前だったけれど、大きなアクシデントがなくてよかったです。4周めくらいまでオイルが残っていましたね。あの状況ならセフティカーが入ってもよかったと思います。そこまではポジションを上げられてよかったし、その後も順調ににレースを進められました。その後ピットでタイヤがうまく外れなくてタイムロスしてポジションを落としてしまいましたが、ここでもきっちりと完走して、次から始まるヨーロッパ・ラウンドにつながる開幕3戦だったと思います。
--ハミルトンを抑える場面もありました。
琢磨 同一周回ということを無線で聞いていたし、執拗に無理なブロックはしなかったけれどポジションを守りたかったです。その意味では、ハミルトンだけでなくても、レースができました。
--ハミルトンの時は、同一周回なのでブルー・フラッグがでいたわけではないですね。
琢磨 出ていません。最終コーナーを出てから向かい風なので、ボクが壁になって。最高速は10km/hもあっちが速いので、ああなったらしょうがないです。
--ハミルトンが抜くときに“あいさつ”をしたのは分かりましたか?
琢磨 いや、どんな?
--中指を立ててました。フィジケラを抜いたときもやっていました。
琢磨 今度は逆にやり返します(笑)。
--風の影響は?
琢磨 今日が特に、ということはなかったですが、単独で走ると、風の重さを感じました。
--昨日のクラッシュの影響は?
琢磨 特に問題はなかったですが、スタート直後に、アンソニーを抜いたときに、ベッテルが死角で見えなくて接触してしまって、帰って来て見たら左のフロント・ウィングの翼端板がダメージを受けていて、パフォーマンス的には多少落ちたかもしれませんが、それ以外は問題なかったです。
--2戦連続完走は意義があると思います。
琢磨 今回もクルマは変わっていませんが、特性の異なるサーキットでクルマへの理解度も高まったし、チームにとっても、2戦連続で2台がきっちりと完走できたのは大きいと思います。ボクらにとって一番大事なことを達成できたのはよかったと思います。
--次のスペインは、去年入賞した思い出のコースです。
琢磨 そうですね。去年はスペインGPの前に1カ月近いインターバルがあって、しっかりテストもできたし、実力を底上げできたけれど、今年の状況はちょっと厳しいと思います。でも、ごき3戦でクルマへの理解度も深まったし、バルセロナに向けてスペアパーツも含めて充実した週末を遅れると思います。バルセロナからもう一度、いいレースをできるようにしたいです。
(協力:Masahiro Owari / 構成:MYS)